縦約14mm×横約10mm（フレーム含まず）の長方形のフレームの中の
場面いっぱいを使ってマリア様が彫られています。
シェルカメオのベースとなる茶色とマリア様を表す白色との対比が
極端に白が多いのもマリア様の清廉さを強調しているよう。

右を向き静かに目を閉じているその横顔は、静かに祈りを捧げているのでしょう。

こちらのリングの特筆すべきは見事なシャンク。
柔らかい色味のピンクゴールドを使用し、
ベゼルの撚った金線を駆使した見事な細工に目を奪われます。

ナポレオンがイタリア遠征からフランスへカメオを持ち帰ったことで、もたらされたカメオの流行。
とはいえ19世紀初期のフランスでは、権力の象徴として貴族や一部の富裕層に着けられたもの。
その為この時代の女性的なカメオの数が少なく、
こちらのように女性の手に合う繊細な作りのリングは、貴重です。

指腹にあたる部分に、フランスの14金を表すシェルの刻印があります。